手術・麻酔について
Surgery/Anesthesia当院では避妊・去勢手術から緊急手術を含め様々な手術を行っています。
飼い主様には、手術の必要性やリスクや方法、術前・術後の注意点、費用について十分に説明し、ご納得いただいた上で手術を実施いたします。
100%安全な手術はどこにも存在しませんが、獣医師・看護師含め病院スタッフが高い意識を持つことにより、より安全に手術を行うことは可能です。
当院で行える手術内容
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一般外科
- 去勢手術
- 脾臓摘出術
- 膀胱切開術
- 精巣腫瘍摘出術
- 全避妊手術
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整形外科
- 大腿骨頭切除
- 断脚
- 前十字靭帯断裂整復術
- 外傷処置
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口腔外科
- 口腔内腫瘍摘出術
- スケーリング / ポリッシング
- コンポジット
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神経外科
- 椎間板ヘルニア
手術前に準備するもの
全身麻酔前には、12時間以上の絶食が必要です。
全身麻酔をかけると、意識はもちろんのこと、全身の力も抜けてしまいます。
このとき、もし胃の中に未消化物が残っていると手術中にそれを吐いて、誤嚥してしまう可能性があります。
手術前日の夜9時からは絶食・絶水(お水とごはんなし)をお願いしています。
当院の麻酔に関する考え
当院では、動物に麻酔をする際に一番大切にしていることは、患者である動物の安全を守ることと考えています。
動物の安全を守るためにいかにして危険を避けるか?を麻酔における重要項目としています。
手術などにより強い痛み(肉体的ストレス)が加わると生体は痛みに対し適応しようとしますが、次第に適応しきれず様々な臓器の機能が失われてしまいます。(ショック状態)
よって、強い痛みなどの肉体的ストレスによるショック状態を避けるために、麻酔は、意識の消失(鎮静)や痛みの消去(鎮痛)によりストレスを除去するために必要です。
外科手術の流れ
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ご予約
手術予約を入れるにあたって、予め身体チェックと術前検査を行い、麻酔をかけても大丈夫かどうかを確認致します。年齢や持病によって行うべき検査は異なりますが、当院では「どんなに若くて健康そうに見える子」であっても血液検査だけは行わせて頂いています。
健康そうに見えても、先天的に肝臓や腎臓の機能が弱かったりする子もいますので、安全に麻酔をかけるには絶対に必要な検査と考えています。
術前検査で異常が認められなかった場合は、ご予定をお伺いし、ご都合の良い日に手術予約を入れて頂くことが可能です。 -
前日検査
手術は全身麻酔をして行います。 全身麻酔をかけると、意識はもちろんのこと、全身の力も抜けてしまいます。
全身麻酔前には12時間以上の絶食が必要です。
胃の中に未消化物が残っていると手術中にそれを吐いて誤嚥してしまう可能性があるため、食事は前夜の21時までにお済ませください。 -
当日の体調チェック
手術当日は午前11時までにご来院下さい。
お預かり前に問診・診察をさせていただき、異常がないかを再確認致します。
患者さんがお急ぎのため、先にお預かりさせて頂いた場合は、お預かり後に診察を行っています。 -
手術部位の毛刈り
お預かり後、手術の準備として手術部位の毛刈りを行います。
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麻酔
全ての準備が整ったところで、いよいよ麻酔をかけていきます。生体モニターの心電計や血圧計などは、麻酔前でも装着できるため測定を開始します。術前検査の結果を基にして選択した「その子に適した注射麻酔薬」を、まずは少量だけ静脈内投与します。薬剤に対する特異体質(アレルギー)がないかどうかを確認するためです。
しばらく様子を確認し、異常がないことを確認できたら、その後も様子を確認しながらゆっくりと追加投与をしていきます。 -
手術
注射麻酔によって意識がぼんやりとして口が大きく開けられる状態になったら、気管内挿管を行います。
気管内挿管ができたら、すぐに人工呼吸器(レスピレーター)に接続し、吸入麻酔薬の濃度・一回呼吸量・呼吸回数を調整します。心電計や血圧計以外の生体モニターの残りの測定器具も装着し、手術を開始します。 -
経過観察
麻酔から完全に覚醒して立って歩ける状態になるまでには、もう少し時間がかかります。
入院ケージに移動し、さらに覚醒するまで注意深く経過を観察します。 -
退院
通常は午後の診療開始時には、しっかりとした状態まで覚醒していますが、退院可能かどうかのご確認のため、お迎えにいらっしゃる前に当院へお電話をお願い致します。
問題がなかった場合は、お迎えにお越しいただいて大丈夫です。「お家に帰ってからの注意点」などをご説明させて頂きますので、お迎えは午後の診療終了30分前までにお願い致します。